今回は初めてジュニアで2000年に世界選手権に出場してから丁度通算10回目となる一つの区切りとなる世界選手権でした。
もうさすがに慣れたものだろうと思って向かいましたが、いざ着いて体験してみると世界各国の代表でもありテコンドー愛好家でもある選手やコーチ、審判、関係者達が集まるその舞台はとても素晴らしい場所でした。
再認識したと共に、やはりだからこそ25年間にわたり目指し続けた舞台なんだなと。「さすが世界選手権、そうであるべきだ!」と改めて感じました。
今回は前回大会と同じ種目(シルバー男子5段トゥル)での出場でしたが、前回は優勝できたが故に、「勝って当たり前」というプレッシャーや海外選手達からの注目を感じていて(自分で勝手にですが)、初めて同種目に出場した前回よりもかなり緊張していました。
プレッシャーに打ち勝ち、前回よりもさらに高めたパフォーマンスを披露しなければ。さらには自身の限界を超えて過去最高の自分にしなければまた同じ出場する意味が無いと思い奮起し、高い練習目標を立てて自身を追い込みました。
それは過酷な内容で、身体が壊れるギリギリを攻めながら(実際のところたまに壊しながら)、どうにか目標を達成し出発することができました。
そのお陰で本番コートに立った時は、心地良い緊張感と興奮、そして十分冷静でいられる境地に至った感覚があり、試合を楽しむことができました。
常に高い「質」を追い求めながらも、絶対的に「量」をこなさなければ効率の良さなんて見えてきません。
内容に満足いくことはありませんが、現在の自分なりのではありますがそのような境地にいたるまでの練習量とこれまでの長きにわたるキャリアに「感謝」と「納得」を感じました。
そしてそれに至るには家族や仲間・稽古生達など多くの方の応援無くしては有り得ないことは言うまでもありません。
団体トゥルの競技にはかなり久しぶりの出場でした。
メンバー内で年、段位、キャリア全てにおいて上である私の立場上、これもまた責任感や重圧を感じていましたが、役割を全うして優勝もすることができ安堵しました。
団体戦特有のチームで作り上げて成長していくやり甲斐や、勝って分かち合える喜びも久しく、チャレンジして良かったと心から思えています。
世界選手権へのモチベーションの半分を占めているであろう自分の弟子(西川千尋、鈴木佑実選手)との出場も今回も叶いました。
彼らの日々のひたむきな努力と、世界の舞台で堂々とパフォーマンスを発揮する姿はとても誇らしいものでした。
日頃から生徒に言い聞かせていることですが、勝負は時の運・水物(みずもの)だとよく言われますが、その転んできた幸運を掴み取れるだけの力が無いといけません。
何度もチャレンジしなければ幸運が転がってくることすらありません。
自分を褒めてあげれて誇れるくらいの努力をしていれば勝利にも敗北にも納得がいくと思いますし、勝敗に関係なく世界選手権を素晴らしい場だと感じれると思います。
何度も行けば行くほど、努力すればするほど素晴らしい場になっていくなと、私自身世界選手権に来るたびに再認識しています。
そのような体験を後進にも何度も何度もしてもらい、高みを目指してもらいたいと願います。